初恋は苦い思い出。でも出会うべく人と出会いました

イヤな女


 ~ジルベルト~

「ジルベルト何かあったのか?」

 個室に入りルシアンに言われた。顔色が悪いぞ。と。

「苦手な令嬢に会った」

 レストランに入る前に会ってしまった令嬢の話した。

「……あぁ、あの方ね。ジルがお茶会に来なくなったから寂しがっていたわよ。久しぶりに見かけたから嬉しかったのでしょうね」
「獲物を見つけたハイエナみたいだった」

 黒い気持ちがどんどんと出てくる。イヤな思い出しかない。


「……ハイエナって……きっとあの方、ジルに好意を持っているのよ」
「は……? 好意を持っている人間に嫌味を言うものなのか? 僕にはさっぱり分からないし分かりたくない」

 フローリア嬢の言っている意味が理解できなかった。

「昔からジルベルの周りを彷徨いていて、ジルベルトが一人になるのを見計らって話しかけていたよな」
「イヤミを言うために、一人になったところを狙ったんだろう」

「花冠をジルベルトに載せていたよな」
「その後、花が女の子より似合うと言われた」

「散策に誘われて一緒に行ったじゃないか」
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