初恋は苦い思い出。でも出会うべく人と出会いました
 ……可愛くて、良い家の令嬢と婚約をしたいと思っていた。選び放題だと思っていたが実際高位貴族の令嬢は気位が高く付き合いにくい。社交界に顔を出すと父の元ファンだというマダムに声を掛けられる。誰も俺をみてなくて父を見ている。単なる子爵家に成り下がってはいけないと思っていたが、最近はどうも面倒になっていた。婚活って大変なんだな……同じくらいの家格か下……となるとちょっと考えてしまうし。オフィーリアの家は伯爵家でうちより上。公爵家の令嬢に侯爵家の子息と仲が良いし、オフィーリアと結婚するとうちの名も自ずと上がりそうだ。

 ただ、最近オフィーリアの隣にいる伯爵家の子息が気になるんだよな。地味な男かと思っていたら整った顔立ちをしていてオフィーリアと親しくしているというし。よく一緒にいる所を見る。

 癒し系令嬢オフィーリア。可愛くて気取らなく身体も成長している。あれ? 確かに俺の求める令嬢って……


「……そうだな」

 最近オフィーリアの事が気になるのはそう言う事なのか?! これは話し合う必要がある。




 
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