初恋は苦い思い出。でも出会うべく人と出会いました
「フェロウズ公爵家のフローリア嬢に招かれました。フェロウズ公爵夫妻が一時帰宅されているそうです」

 にこりと微笑むジルベルト様。

「「「まぁっ!」」」

「オフィーリアが親しくさせてもらっているのよ。サツマイモのお菓子の件でロワール子息とも親しくなって、今日のこのお菓子もオフィーリアとロワール子息が考えたのよ」

 焼いたサツマイモを冷やしたらねっとりしてクリームみたいな食感になる。その上にジェラートをのせたもの。早く食べないと溶けちゃうじゃない!

「サツマイモは王妃様も気に入って今や最先端ですものね。また美味しいレシピを教えてね」

「好評みたいだね」
「うん」

 それからお茶だけを飲んで家を後にした。

「ごめんね、お母様のお友達がなんでも聞いてくるから困ったでしょう?」
「いや。問題ないよ。ちゃんと挨拶出来て良かった」

 挨拶? 良かったのかな……

 ******

 その後家に着いたハリーの母親はハリーに言った。

「オフィーリアちゃんとロワール子息、お似合いだったわ! 礼儀正しくて素敵な子息ね」

「は? ロワール子息がなぜ?」
「フェロウズ公爵家に招かれているようで一緒に行くんですって。オフィーリアちゃんのドレス姿も綺麗だったわよ。ハリーったら逃がした魚は大きいわよ! いくら妹にしか見えないと言っても、大きくなったら違うでしょう?」
「……そうだ、ね」

 あいつ、とうとうオフィーリアの家まで行ったのか! 図々しい奴だな!




 

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