白い嘘と黒い真実
何はともあれ、彼と恋人になる云々の前に、まずはこの敬語口調をなんとかしなければいけないと思う。
これまで特に気にする事なく接してきたけど、こうして彼との距離を縮めていきたい今となっては弊害でしかない。
もっと親密になりたいのに、何処か余所余所しさが残ってしまうようで。
そもそも、私達は同い年の上に昔馴染みなんだからタメ口で話したって何の問題もないのに。
話し方を変えるタイミングが分からず、ずるずると引き摺り結局は現状維持のまま。
そんな不甲斐ない自分に今度は深い溜息をはくと、不意打ちの如くメッセージの着信音が突然鳴り、即座に反応した私は慌てて携帯を手に持って画面を開く。
その瞬間、予想もしていなかった彼の返信内容が目に飛び込み、思わず吹き出してしまった。
それはもやしとキャベツがこれでもかと山盛りにされたラーメンと、これまた日本昔話に出てきそうな山盛りのご飯と餃子セットの写真。
見ただけでお腹一杯になりそうな程のえげつない量だけど、もしやこれが今日の澤村さんのお昼ご飯なのだろうか。
文面には“山綺麗ですね。俺は今この目の前の山と戦います”という、最後には撃沈してるスタンプが送られてきて、彼の心境をよく表していた。
そう言えば、周りの人間はバカみたいに食べると言っていたけど、これがそういうことなのだろうか。
しかも、量関係なく十分以内で食べ終わるって……。
確かに、この食生活が続けば早死にするだろうなと。しみじみそう思った私は、とりあえず彼を労る内容のメッセージを送った。
このやり取りだけで先程の苛立ちはすっかりと洗い流され、心にゆとりが持てるようになった私は、もう一度この素晴らしい景色に目を向けた。
とりあえず、今はゆっくり彼との関係を育んで、いつかこの気持ちを伝えられる日が来るのを待とう。
そう自分に言い聞かせながら、私は変形したオレンジジュース缶を手に持ち、ゆっくりと口に運びながら、暫しの間静かな時間を満喫した。
これまで特に気にする事なく接してきたけど、こうして彼との距離を縮めていきたい今となっては弊害でしかない。
もっと親密になりたいのに、何処か余所余所しさが残ってしまうようで。
そもそも、私達は同い年の上に昔馴染みなんだからタメ口で話したって何の問題もないのに。
話し方を変えるタイミングが分からず、ずるずると引き摺り結局は現状維持のまま。
そんな不甲斐ない自分に今度は深い溜息をはくと、不意打ちの如くメッセージの着信音が突然鳴り、即座に反応した私は慌てて携帯を手に持って画面を開く。
その瞬間、予想もしていなかった彼の返信内容が目に飛び込み、思わず吹き出してしまった。
それはもやしとキャベツがこれでもかと山盛りにされたラーメンと、これまた日本昔話に出てきそうな山盛りのご飯と餃子セットの写真。
見ただけでお腹一杯になりそうな程のえげつない量だけど、もしやこれが今日の澤村さんのお昼ご飯なのだろうか。
文面には“山綺麗ですね。俺は今この目の前の山と戦います”という、最後には撃沈してるスタンプが送られてきて、彼の心境をよく表していた。
そう言えば、周りの人間はバカみたいに食べると言っていたけど、これがそういうことなのだろうか。
しかも、量関係なく十分以内で食べ終わるって……。
確かに、この食生活が続けば早死にするだろうなと。しみじみそう思った私は、とりあえず彼を労る内容のメッセージを送った。
このやり取りだけで先程の苛立ちはすっかりと洗い流され、心にゆとりが持てるようになった私は、もう一度この素晴らしい景色に目を向けた。
とりあえず、今はゆっくり彼との関係を育んで、いつかこの気持ちを伝えられる日が来るのを待とう。
そう自分に言い聞かせながら、私は変形したオレンジジュース缶を手に持ち、ゆっくりと口に運びながら、暫しの間静かな時間を満喫した。