白い嘘と黒い真実
「……あ、えっと。す、すみません。在庫チェックしようとしたら声が聞こえたものでして」
何やら少し驚いた表情をされてしまった為、私は慌てて事情を説明すると、高坂部長はやんわりと口元を緩ませてから私の方へと近付いてくる。
「気にしないでください。俺がこんな場所で通話してたのが悪いですから。邪魔して申し訳ございませんでした」
そして、穏やかな口調でそう言うと、私に軽く一礼した後、足早にこの場を離れていった。
……ああ、やっぱり高坂部長も格好いい。
私は高坂部長の背中をじっと見ながら、彼の姿が見えなくなるまでその場で見惚れ続けていた。
高坂部長は社内の女性職員にかなり絶大な指示がある程、これまた結構なイケメンだ。
澤村さんはキリッとした凛々しいタイプのイケメンだけど、高坂部長はその逆で物腰が柔らかく優しいタイプのイケメン。
パーマが少しかかったフワフワ頭に、切れ長の垂れ目で微笑む表情は心を溶かされるくらい甘く、声も低過ぎず高過ぎずゆったり響いてくるので、話しかけられる女性職員は大体その魅力にやられてしまう。
加えて、頭もキレるし、近くに寄ると香水とも違うフェロモンのいい香りがして、大人の色気を感じる。
年齢は確か丁度三十で、まだ彼女はいないらしく、本気で狙っている女性社員はかなり多いらしい。
私はあくまで高坂部長は目の保養的存在なので、朝一から会話出来ればそれだけで十分。
とりあえず、さっさと作業を終わらせる為に、手始めに衣類が保管されている棚の前に立とうとした時だ。
ふと足元に見えた二つ折りにされた小さな紙切れ。
さっきここで高坂部長が電話していたから、もしかしたら彼が落としていったものだろうかと思いながら、私はそれを拾う。
広げて見てみると、そこには住所と時間が書いてあり、もしかしたら業務に関することのような気がして、私は後を追いかけるために急いで倉庫を飛び出した。
「部長ー!メモ用紙が落ちてましたよ!」
すると、丁度入口前で社用車に乗り込もうとしている彼の姿を捉え、私は大声で高坂部長を呼び止める。
「メモ?」
何やらあまりピンときていないようで、渡されたメモ用紙を広げてみたあと、一瞬だけ部長の動きが止まった。
「ああ、ありがとう。わざわざすみません」
しかし、直ぐにいつもの柔らかい表情に戻ると、眩しい程の満面の笑みを向けて颯爽と車に乗り込んでいった。
やっぱり、笑顔も素敵過ぎるっ!
そんな高坂部長の魅力を一身に受けた私は心の中で悶えながら、朝から二回も話せた事に気持ちがまたもや舞い上がっていく。
そして、これだけで今日一日分のエネルギーをチャージ出来たような気がして、私は軽い足取りで倉庫の方へと戻って行ったのだった。
何やら少し驚いた表情をされてしまった為、私は慌てて事情を説明すると、高坂部長はやんわりと口元を緩ませてから私の方へと近付いてくる。
「気にしないでください。俺がこんな場所で通話してたのが悪いですから。邪魔して申し訳ございませんでした」
そして、穏やかな口調でそう言うと、私に軽く一礼した後、足早にこの場を離れていった。
……ああ、やっぱり高坂部長も格好いい。
私は高坂部長の背中をじっと見ながら、彼の姿が見えなくなるまでその場で見惚れ続けていた。
高坂部長は社内の女性職員にかなり絶大な指示がある程、これまた結構なイケメンだ。
澤村さんはキリッとした凛々しいタイプのイケメンだけど、高坂部長はその逆で物腰が柔らかく優しいタイプのイケメン。
パーマが少しかかったフワフワ頭に、切れ長の垂れ目で微笑む表情は心を溶かされるくらい甘く、声も低過ぎず高過ぎずゆったり響いてくるので、話しかけられる女性職員は大体その魅力にやられてしまう。
加えて、頭もキレるし、近くに寄ると香水とも違うフェロモンのいい香りがして、大人の色気を感じる。
年齢は確か丁度三十で、まだ彼女はいないらしく、本気で狙っている女性社員はかなり多いらしい。
私はあくまで高坂部長は目の保養的存在なので、朝一から会話出来ればそれだけで十分。
とりあえず、さっさと作業を終わらせる為に、手始めに衣類が保管されている棚の前に立とうとした時だ。
ふと足元に見えた二つ折りにされた小さな紙切れ。
さっきここで高坂部長が電話していたから、もしかしたら彼が落としていったものだろうかと思いながら、私はそれを拾う。
広げて見てみると、そこには住所と時間が書いてあり、もしかしたら業務に関することのような気がして、私は後を追いかけるために急いで倉庫を飛び出した。
「部長ー!メモ用紙が落ちてましたよ!」
すると、丁度入口前で社用車に乗り込もうとしている彼の姿を捉え、私は大声で高坂部長を呼び止める。
「メモ?」
何やらあまりピンときていないようで、渡されたメモ用紙を広げてみたあと、一瞬だけ部長の動きが止まった。
「ああ、ありがとう。わざわざすみません」
しかし、直ぐにいつもの柔らかい表情に戻ると、眩しい程の満面の笑みを向けて颯爽と車に乗り込んでいった。
やっぱり、笑顔も素敵過ぎるっ!
そんな高坂部長の魅力を一身に受けた私は心の中で悶えながら、朝から二回も話せた事に気持ちがまたもや舞い上がっていく。
そして、これだけで今日一日分のエネルギーをチャージ出来たような気がして、私は軽い足取りで倉庫の方へと戻って行ったのだった。