白い嘘と黒い真実
◇◇◇
__次の日。
「それでね、休みの日なのに高坂部長に会うわ、超美女のハンカチ拾うわで、もう目の保養連発だったー」
今日も食堂で紗耶と一緒にランチを満喫している中、早速昨日起きた出来事を私は笑顔で報告する。
「へえー、そんな美女なら私も見てみたいわあ」
すると、今回は何故か高坂部長の話には全く食いつかず、美女の方だけに興味を示す紗耶の反応が何だか不思議に感じた。
「それより、澤村さんにちゃんとお礼言ったの?あの人真子が言うよりも真っ当だし、超警察官って感じの人じゃん。しかも、めっちゃイケメンだし」
それから、触れられたくないところを触れられてしまい、私は心が痛む話に思わず顔を顰めてしまう。
「私は澤村さんのことそんな悪く言った覚えないけど。……ちゃんと言いました。ついでに、過去の話も全部しました。そしたら謝られた。”信じることを教えてくれた責任を取って下さい”って言ったら」
「そりゃ無茶振りもいいところだわ」
そして、若干不貞腐れ気味になりながら、視線を逸らして明後日の方向に目を向けて事情を話すと、即座に紗耶から厳しい突っ込みが返ってきた。
「やっぱり私は澤村さんにとって迷惑な人でしかないんだよね。会う度にうんざりするような目で見られるし」
相変わらず容赦ない紗耶の扱いに若干傷付きながらも、昨日の険しい澤村さんの表情が思い浮かび、自然と大きな溜息が漏れ出てしまう。
「あんたも彼に固執するわね。ここ最近澤村さんの話ばっかりじゃん。まあ、あんなイケメンが隣人じゃ、気にならない方が無理あるかもしれないけど」
そう言うと、紗耶は社内人気No.1メニューのオムライスを頬張りながら、宙を見上げた。
「そうなの。何もしないとそんな事ばっかり考えちゃって……。だから、これ」
私はこのタイミングを待ってましたと言わんばかりに、ランチバッグに忍ばせていた資格本を紗耶に見せる。
「今日から資格の勉強を始めようと思って。昨日ね、自分の考え方を改める目的で図書館から自己啓発本を借りたの。そこに良い人に巡り会いたいなら、先ず自分が変われって。周囲の人間は自分自身を写す鏡だからって書いてあったんだ」
あれから借りた本を熟読すると、目から鱗な内容が色々と書かれていたので、私はその本の内容を信じて、一つ一つ実行することに決めた。
その中で特に強調して書かれていたのが自分磨きについて。
確かに“類は友を呼ぶ”ということわざもあるくらいだし、大いに考えさせられた私は、直ぐに行動しようと帰りに本屋さんへ直行した。
「この前実家帰った時も言われたんだけどさ……私も良い歳だし、自分の将来を見直す良いきっかけにもなるかなって。結婚に拘っているだけだとまた同じ失敗しそうだしね」
ただ、こんな大それた事を言って果たして持続出来るのか正直自信はないけど、今までにないくらい自分の中では真面目に考えている気がして、私は少し照れ気味に胸の内を明かした。
__次の日。
「それでね、休みの日なのに高坂部長に会うわ、超美女のハンカチ拾うわで、もう目の保養連発だったー」
今日も食堂で紗耶と一緒にランチを満喫している中、早速昨日起きた出来事を私は笑顔で報告する。
「へえー、そんな美女なら私も見てみたいわあ」
すると、今回は何故か高坂部長の話には全く食いつかず、美女の方だけに興味を示す紗耶の反応が何だか不思議に感じた。
「それより、澤村さんにちゃんとお礼言ったの?あの人真子が言うよりも真っ当だし、超警察官って感じの人じゃん。しかも、めっちゃイケメンだし」
それから、触れられたくないところを触れられてしまい、私は心が痛む話に思わず顔を顰めてしまう。
「私は澤村さんのことそんな悪く言った覚えないけど。……ちゃんと言いました。ついでに、過去の話も全部しました。そしたら謝られた。”信じることを教えてくれた責任を取って下さい”って言ったら」
「そりゃ無茶振りもいいところだわ」
そして、若干不貞腐れ気味になりながら、視線を逸らして明後日の方向に目を向けて事情を話すと、即座に紗耶から厳しい突っ込みが返ってきた。
「やっぱり私は澤村さんにとって迷惑な人でしかないんだよね。会う度にうんざりするような目で見られるし」
相変わらず容赦ない紗耶の扱いに若干傷付きながらも、昨日の険しい澤村さんの表情が思い浮かび、自然と大きな溜息が漏れ出てしまう。
「あんたも彼に固執するわね。ここ最近澤村さんの話ばっかりじゃん。まあ、あんなイケメンが隣人じゃ、気にならない方が無理あるかもしれないけど」
そう言うと、紗耶は社内人気No.1メニューのオムライスを頬張りながら、宙を見上げた。
「そうなの。何もしないとそんな事ばっかり考えちゃって……。だから、これ」
私はこのタイミングを待ってましたと言わんばかりに、ランチバッグに忍ばせていた資格本を紗耶に見せる。
「今日から資格の勉強を始めようと思って。昨日ね、自分の考え方を改める目的で図書館から自己啓発本を借りたの。そこに良い人に巡り会いたいなら、先ず自分が変われって。周囲の人間は自分自身を写す鏡だからって書いてあったんだ」
あれから借りた本を熟読すると、目から鱗な内容が色々と書かれていたので、私はその本の内容を信じて、一つ一つ実行することに決めた。
その中で特に強調して書かれていたのが自分磨きについて。
確かに“類は友を呼ぶ”ということわざもあるくらいだし、大いに考えさせられた私は、直ぐに行動しようと帰りに本屋さんへ直行した。
「この前実家帰った時も言われたんだけどさ……私も良い歳だし、自分の将来を見直す良いきっかけにもなるかなって。結婚に拘っているだけだとまた同じ失敗しそうだしね」
ただ、こんな大それた事を言って果たして持続出来るのか正直自信はないけど、今までにないくらい自分の中では真面目に考えている気がして、私は少し照れ気味に胸の内を明かした。