白い嘘と黒い真実
それから午後の業務も難なく終わり、紗耶はまだ残務がある為、私は周りの人に挨拶をしてから先に職場を後にする。
とりあえず、残業がない分他の人より時間はたっぷりあるので、その間にまた資格の勉強を進めようと私は近くの喫茶店に立ち寄ることにした。
家で勉強するのもいいけど、やっぱり場所を変えた方が捗る気がするし、行きつけの喫茶店は店内がとても静かで落ち着いてるので、集中するにはもってこいの環境だった。
それに、喫茶店は職場から家の丁度中間地点にあり、何度も足を運んでいるので、お店の人にも段々と顔を覚えられてきているのが少し嬉しく思う。
店内に入ると香ばしいコーヒー豆の香りが出迎えてくれて、毎回本日の日替わりコーヒーを一杯頼んで居座るのがお決まり。
まだこの時間帯はお客さんが少ないから気兼ねなく勉強出来るけど、大体七時を過ぎると混み始めてくるので、いつもそれぐらいを目処に切り上げている。
今日も日替わりコーヒーを頼んで、窓際カウンター席の一番左端が私の指定席。
ここは携帯の充電も出来るし、ネットも使いたい放題なので、調べ物も難なく出来るからとても有難い。
私は鞄から簿記検定2級の本を取り出し、付箋を貼ったところから始めようと参考書を開く。
とりあえず、この試験が一番の難関なので、これが受かれば次はMOS資格にも挑戦したい。他にも就職に有利なものがあれば積極的に受けようと思うので、こうして目標が明確に立てられていると、毎日が充実しているような気がする。
その後暫く集中して勉強していると、気付けば小一時間程経過していて、喉が渇いてきた私はお水を取りに行こうと一旦席を立つ。
そして、店内の端にあるお冷コーナーで水を汲んでから席に戻ろうと踵を返した時だった。
あれ?あの人って……?
レジカウンターの方に目がいくと、見覚えのあるスーツ姿の男性が視界に写り、私はその場で立ち止まる。
それは今朝見かけた三十代ぐらいのビジネスバッグを持った茶髪の男性。顔は全く覚えてないけど、ビジネスマンにしては少し不釣り合いな明るめの髪の色をしていたので、おそらくその人で間違いないと思う。
ここでも見掛けるなんて、珍しいなあ……。
なんて、ぼんやり考えながら、特に気にすることなく私は自分の席へと戻り、勉強の続きを始めた。
とりあえず、残業がない分他の人より時間はたっぷりあるので、その間にまた資格の勉強を進めようと私は近くの喫茶店に立ち寄ることにした。
家で勉強するのもいいけど、やっぱり場所を変えた方が捗る気がするし、行きつけの喫茶店は店内がとても静かで落ち着いてるので、集中するにはもってこいの環境だった。
それに、喫茶店は職場から家の丁度中間地点にあり、何度も足を運んでいるので、お店の人にも段々と顔を覚えられてきているのが少し嬉しく思う。
店内に入ると香ばしいコーヒー豆の香りが出迎えてくれて、毎回本日の日替わりコーヒーを一杯頼んで居座るのがお決まり。
まだこの時間帯はお客さんが少ないから気兼ねなく勉強出来るけど、大体七時を過ぎると混み始めてくるので、いつもそれぐらいを目処に切り上げている。
今日も日替わりコーヒーを頼んで、窓際カウンター席の一番左端が私の指定席。
ここは携帯の充電も出来るし、ネットも使いたい放題なので、調べ物も難なく出来るからとても有難い。
私は鞄から簿記検定2級の本を取り出し、付箋を貼ったところから始めようと参考書を開く。
とりあえず、この試験が一番の難関なので、これが受かれば次はMOS資格にも挑戦したい。他にも就職に有利なものがあれば積極的に受けようと思うので、こうして目標が明確に立てられていると、毎日が充実しているような気がする。
その後暫く集中して勉強していると、気付けば小一時間程経過していて、喉が渇いてきた私はお水を取りに行こうと一旦席を立つ。
そして、店内の端にあるお冷コーナーで水を汲んでから席に戻ろうと踵を返した時だった。
あれ?あの人って……?
レジカウンターの方に目がいくと、見覚えのあるスーツ姿の男性が視界に写り、私はその場で立ち止まる。
それは今朝見かけた三十代ぐらいのビジネスバッグを持った茶髪の男性。顔は全く覚えてないけど、ビジネスマンにしては少し不釣り合いな明るめの髪の色をしていたので、おそらくその人で間違いないと思う。
ここでも見掛けるなんて、珍しいなあ……。
なんて、ぼんやり考えながら、特に気にすることなく私は自分の席へと戻り、勉強の続きを始めた。