劣化王子(れっかおうじ)
第十話:ヤキモチ
一体なんなの。
品定めをするような感じで見てきたり、小馬鹿にした顔でつぶやいたり。
「あの英語、絶対悪口だった」
大体さぁ、あの格好は何?
露出しすぎでしょ。胸元、開きすぎ。
胸がデカいことを自慢したいわけ?
アメリカの人ってみんなあんな感じなの?
「ていうか、土足だったし」
みんなは気づいてなさそうだけど、さっき見たら、ハイヒールのまま校内に入ってた。
スリッパ履きなよ、スリッパ。
「……歩」
それにしても、ウチアンタキライヤワって……。
関西弁の発音がちがうし、嫌いで結構です!
「……果歩」
つうか、ユノはなんであんなの連れてきたわけ?
“シューサク”って呼ばせて……べったりくっつきすぎ。
「あー、ホント面倒くさい……」
「あんたもだいぶ面倒くさいよ、果歩」
「……あ」
キライと言われても何も返さずに教室を出たわたし。
トイレの洗面所で鏡を見ていたら、突然現れたしずちゃんが目の前の蛇口をきゅっと締めた。
「遅いから様子を見にきたら、水を流しっぱなしでずーっとブツブツ言ってるし」
「え、いつからいたの?」
「……結構前から。あんた、周りから変な目で見られてたよ?」
「う、うそ……」
まさかと思いながら周りを見ると、数名と目が合った。
彼女たちは顔を背け、急いでトイレを出ていく。
品定めをするような感じで見てきたり、小馬鹿にした顔でつぶやいたり。
「あの英語、絶対悪口だった」
大体さぁ、あの格好は何?
露出しすぎでしょ。胸元、開きすぎ。
胸がデカいことを自慢したいわけ?
アメリカの人ってみんなあんな感じなの?
「ていうか、土足だったし」
みんなは気づいてなさそうだけど、さっき見たら、ハイヒールのまま校内に入ってた。
スリッパ履きなよ、スリッパ。
「……歩」
それにしても、ウチアンタキライヤワって……。
関西弁の発音がちがうし、嫌いで結構です!
「……果歩」
つうか、ユノはなんであんなの連れてきたわけ?
“シューサク”って呼ばせて……べったりくっつきすぎ。
「あー、ホント面倒くさい……」
「あんたもだいぶ面倒くさいよ、果歩」
「……あ」
キライと言われても何も返さずに教室を出たわたし。
トイレの洗面所で鏡を見ていたら、突然現れたしずちゃんが目の前の蛇口をきゅっと締めた。
「遅いから様子を見にきたら、水を流しっぱなしでずーっとブツブツ言ってるし」
「え、いつからいたの?」
「……結構前から。あんた、周りから変な目で見られてたよ?」
「う、うそ……」
まさかと思いながら周りを見ると、数名と目が合った。
彼女たちは顔を背け、急いでトイレを出ていく。