Labyrinth~愛に迷う~
心の隙
翌朝もいつもと変わらずぎりぎりまで寝ていた悟はほとんど会話もせず慌ただしく出ていった。
私もいつものように身支度をし、洗濯や掃除を済ませてから急いで職場に向かった。
「おはようございます。」
事務所の前を通り過ぎたり出入りするマネージャーや社員達に次々と挨拶した。
午前中は私のほかに藤崎さんという同僚が出勤していた。
「川島さん、私入力しましょうか?」
藤崎さんが言った。40代で金子さんより柔和な人だ。忙しくない日は藤崎さんとはいろいろおしゃべりもした。
「大丈夫ですよ。そんなにないしすぐ終わりますから。」
そう言って入力作業に戻った。10時半過ぎに鈴木さんが事務所に来た。
「おはようございます。」
明るい声を出したつもりだった。
「あれ?お宅んとこのお嬢さん、やつれてない?」
鈴木さんが藤崎さんに言った。
「そうね、顔が少し疲れてるかもしれないわね。また鈴木さんがしつこく誘って飲みに行ったんでしょ?」
藤崎さんが言った。
「ピンポン。当たり。」
鈴木さんはそう言って自分の席で何やら準備するとすぐに売場に出て行った。
「鈴木さんたら川島さんのことが気になって仕方ないのね。」
藤崎さんはさもおかしいというようにクスクスと笑いながら言った。
鈴木さんは見かけによらず敏感だ。昨晩の号泣が悔やまれた。少しむくんだ顔に気づいたのかもしれない。
私もいつものように身支度をし、洗濯や掃除を済ませてから急いで職場に向かった。
「おはようございます。」
事務所の前を通り過ぎたり出入りするマネージャーや社員達に次々と挨拶した。
午前中は私のほかに藤崎さんという同僚が出勤していた。
「川島さん、私入力しましょうか?」
藤崎さんが言った。40代で金子さんより柔和な人だ。忙しくない日は藤崎さんとはいろいろおしゃべりもした。
「大丈夫ですよ。そんなにないしすぐ終わりますから。」
そう言って入力作業に戻った。10時半過ぎに鈴木さんが事務所に来た。
「おはようございます。」
明るい声を出したつもりだった。
「あれ?お宅んとこのお嬢さん、やつれてない?」
鈴木さんが藤崎さんに言った。
「そうね、顔が少し疲れてるかもしれないわね。また鈴木さんがしつこく誘って飲みに行ったんでしょ?」
藤崎さんが言った。
「ピンポン。当たり。」
鈴木さんはそう言って自分の席で何やら準備するとすぐに売場に出て行った。
「鈴木さんたら川島さんのことが気になって仕方ないのね。」
藤崎さんはさもおかしいというようにクスクスと笑いながら言った。
鈴木さんは見かけによらず敏感だ。昨晩の号泣が悔やまれた。少しむくんだ顔に気づいたのかもしれない。