Labyrinth~愛に迷う~
「いただきまーす。」

 アヤが大きな声で言って食べはじめた。シンもどんどん食べていく。

 テーブルの上には肉やウィンナーもあったが子供と2人の男はがつがつとそれらを平らげていった。

 私たちも乾杯しながら食べ始めた。職場の話の中で中尾くんが私に聞いてきた。

「川島さんって鈴木マネージャーと付き合ってるんですか?」

「またその話?なんでそういうことになるわけ?」

「いやそんな噂を聞いたから・・・」

 中尾くんは困ったように言った。

「別に謝らなくていいよ。」

「ただの噂だよ。ミオは彼氏と住んでるんだもんね。」

「そう。そういうこと。」

「同棲?してんの?」

 武田くんが驚いたように言った。

「あれ?この前言わなかった?」

「聞いてないよ!」

「飯待ってなくていいんですか?」

 中尾くんが聞いた。

「うん。平気。夜はいつも遅くて家でご飯食べることなんてないから。私いつも1人だから正美が誘ってくれたんだよ。ね、正美。」

 私はそう言って正美の方を向いた。正美は武田くんを見ていた。

「毎晩1人で食べるよりみんなで食べたほうが楽しいもんね。私だってその方が楽しいし。」

「ありがとう。」

 (なんで悟と暮らしてるんだろう・・・)

 正美に感謝しながら、またいつもの疑問が湧いてきた。
< 65 / 76 >

この作品をシェア

pagetop