恋に落ちた瞬間、打ち上がったんだ
…✩…✩…✩…
式が終わり、パーティーがスタートする頃には、みんな完全にリラックスしていた。
結婚披露パーティーというより、まるで夏祭りのような雰囲気。
食事が始まって少しすると、進行役の式場スタッフさんが私たちの馴れ初めを紹介してくれた。
「新郎と新婦の出会いは高校2年生の4月、きっかけは同じクラスになったことでした。けれど最初はお互いにクラスメイトのひとり、という認識でしかなかったそうです。その状況が一変したのは地元の花火大会でのことでした……」
そうそう、花火大会!
ここから先の出来事は私もよく覚えている。
あの日は、女子だけのグループで出掛けた。
私たちは早めに行って場所取りを済ませ、交代で屋台へ繰り出すことにした。
私の番になって、どれにしようかなーと屋台を物色しながら、人の流れに沿ってゆっくり歩いていた。
そのとき、私とは逆方向の流れから声をかけられた。
「お姉さん、ひとりで来てるの?」