恋に落ちた瞬間、打ち上がったんだ
しかしそこで、プランナーさんが私を遮るように大袈裟に頷いてみせた。
「新郎様は和なスタイルで、かつカジュアルなお式をご希望なのですね?」
「そうなんです」
リクは意気揚々と答えた。
「もちろんそういったお式も可能ですよ。では続いて新婦様のご希望を聞かせてもらえますか?」
結婚式の準備中は、往々にして喧嘩するものらしい。
プランナーさんは私と同じくらいの年齢か、せいぜい少し上ぐらいに見えるけれど、百戦錬磨なのかもしれない。
優しく尋ねられて、私の気持ちは落ち着いた。
だけど……
「はっきりとしたイメージはなくて……」
「いいんですよ。資料をお渡ししますので、次回の打ち合わせまでに目を通して、ぜひおふたりで話し合ってみてくださいね」
プランナーさんは、『おふたりで』のところを強調し、さらにリクに視線を投げた。