恋に落ちた瞬間、打ち上がったんだ

単に、花嫁である私の意向を聞いてくれなかったのが気に食わなかっただけなのだ。


『ナナミはどうしたい?』と、リクがオロオロしながらひと言尋ねてくれただけで満足できてしまった。


もしかしてプランナーさんのねらい通りになったのかな?


リクと入場した私に、甚平を着た甥っ子が、『ナナミちゃーん』と両手を振ってくれている。


ドレスコードも結局、浴衣もしくは甚平にした。


始め、姉に愚痴を言うつもりで相談したはずだった。


それだけはダメでしょ、と思ったからだった。


「浴衣を指定ってどう思う?」

「わあ、いいじゃない! あっ、でも甚平も可ならうれしいな」


私はずっこけた。


義兄とあれだけノーブルな挙式をしておいて?

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