旦那様は仏様 ~もっとイチャイチャしたいんです~
「はい……私も、毎日こうしたい」
「うん。ありがとうございます。同じ気持ちでいられてとても嬉しいです」

 聡一は美咲を胸に抱き、また優しく撫でてくれる。やはり聡一の腕の中は、彼に守られているような安心感があって、思わずすり寄りたくなる。

「美咲さん。少しだけ強く抱きしめても?」
「……はい」

 美咲が肯定するとすぐに少し強めの力でぎゅーっと抱きしめられた。まるで離さないとでも言ってくれているかのようだ。

「これは癖になりそうですね。触れられる幸せがあるなんて。本当に夢のようです」

 今日の聡一もとても甘い。間近で甘いことを言われて恥ずかしくてたまらないはずなのに、その身すべてで受け止めたくなる。そうして聡一の甘さを浴びれば、自然と美咲の態度も甘くなって、甘えた台詞がこぼれ落ちる。

「聡一さん……もっと。もっとぎゅってしてほしい……」
「はい。いくらでも」

 聡一はもう少しだけその腕の力を強めてくれた。抱きしめられているのは肉体のはずなのに、心まできゅっと締め付けられたような心地がする。それが少し苦しくて、でも心地よくもあって、美咲はもう少しだけ甘えるように聡一にすり寄った。そうしてそのまま黙って聡一から与えられる幸せに酔いしれていれば、美咲はまたいつの間にやら眠りに落ちていた。

 聡一は眠ってしまった美咲を寝室に運んでくれたようで、美咲は目が覚めるとベッドの上にいた。幸せに包まれて眠ったせいか、その日はいつも以上に寝ざめのいい朝だった。
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