旦那様は仏様 ~もっとイチャイチャしたいんです~
「聡一さん……ありがとうございます」
聡一がクスクスと笑い、その振動が伝わってくる。なんだかそれさえも嬉しい。
「いいえ。この格好もお気に召しましたか?」
「……はい」
「うん。では、今日はお昼までこのままでいましょう」
「え? お昼までってまだ結構ありますよ?」
「はい。ですから、漫画を持ってきてもらったんです。さすがに黙ってじっとしているのも飽きるでしょうから、漫画を読むなり、テレビを見るなり、好きに過ごしてください。でも、美咲さんが過ごす場所はここです。私の腕の中にいてください」
その状態を想像して、美咲はひとりでにその頬を緩ませた。だって、それは最上級のイチャイチャではなかろうか。彼の懐に入れてもらえている感じがして嬉しい。若干の束縛っぽい発言にまで胸が高鳴ってしまう。
「……それは……すごくイチャイチャしてますね」
「ふふ、そうですね」
「じゃあ、よろしくお願いします。あの、でも、聡一さんはどうするんですか?」
「私はこれで本を読んでいます」
聡一はそう言いながら手に持っているタブレット端末を美咲に見せてくる。確かにタブレット端末なら片手で操作も可能だし、美咲が寄りかかっている状態でも読書ができそうだ。美咲がなるほどと頷いていれば、聡一はまたなんとも甘いことを言いだした。
「でも、目の前に美咲さんがいたら、美咲さんばかり構ってしまうかもしれませんね」
「もう聡一さん……そんなことされたら、漫画なんて読めません」
「すみません。できるだけ邪魔はしないようにしますから」
そんなふうに言われれると、美咲はむしろ邪魔してほしいなんて思ってしまう。
「いえ……邪魔してくれても……いい、かも?」
「またそんなにかわいいことを言って。あなたのことを構い倒したくなってしまいます」
「……いいですよ?」
「ふふ、では適度に」
もう一度聡一に「好きに過ごしてください」と言われ、美咲は大人しく漫画を読み始めた。聡一も後ろで読書を始めた気配がする。さすがに読書の邪魔はしたくないと思い、しばらくは漫画に集中していた美咲だが、聡一から与えられる感覚を追うほうが楽しくて、気づけば漫画は放って、ただじっと聡一に寄りかかった。
そのうち聡一も美咲に構いはじめて、二人は本当にただイチャイチャする時間を過ごしていたのだが、互いの体温が心地よかったのか、二人は密着したままいつの間にやらソファーで眠ってしまっていた。二人はなんとも怠惰な過ごし方でその日の午前を終えたのだった。
聡一がクスクスと笑い、その振動が伝わってくる。なんだかそれさえも嬉しい。
「いいえ。この格好もお気に召しましたか?」
「……はい」
「うん。では、今日はお昼までこのままでいましょう」
「え? お昼までってまだ結構ありますよ?」
「はい。ですから、漫画を持ってきてもらったんです。さすがに黙ってじっとしているのも飽きるでしょうから、漫画を読むなり、テレビを見るなり、好きに過ごしてください。でも、美咲さんが過ごす場所はここです。私の腕の中にいてください」
その状態を想像して、美咲はひとりでにその頬を緩ませた。だって、それは最上級のイチャイチャではなかろうか。彼の懐に入れてもらえている感じがして嬉しい。若干の束縛っぽい発言にまで胸が高鳴ってしまう。
「……それは……すごくイチャイチャしてますね」
「ふふ、そうですね」
「じゃあ、よろしくお願いします。あの、でも、聡一さんはどうするんですか?」
「私はこれで本を読んでいます」
聡一はそう言いながら手に持っているタブレット端末を美咲に見せてくる。確かにタブレット端末なら片手で操作も可能だし、美咲が寄りかかっている状態でも読書ができそうだ。美咲がなるほどと頷いていれば、聡一はまたなんとも甘いことを言いだした。
「でも、目の前に美咲さんがいたら、美咲さんばかり構ってしまうかもしれませんね」
「もう聡一さん……そんなことされたら、漫画なんて読めません」
「すみません。できるだけ邪魔はしないようにしますから」
そんなふうに言われれると、美咲はむしろ邪魔してほしいなんて思ってしまう。
「いえ……邪魔してくれても……いい、かも?」
「またそんなにかわいいことを言って。あなたのことを構い倒したくなってしまいます」
「……いいですよ?」
「ふふ、では適度に」
もう一度聡一に「好きに過ごしてください」と言われ、美咲は大人しく漫画を読み始めた。聡一も後ろで読書を始めた気配がする。さすがに読書の邪魔はしたくないと思い、しばらくは漫画に集中していた美咲だが、聡一から与えられる感覚を追うほうが楽しくて、気づけば漫画は放って、ただじっと聡一に寄りかかった。
そのうち聡一も美咲に構いはじめて、二人は本当にただイチャイチャする時間を過ごしていたのだが、互いの体温が心地よかったのか、二人は密着したままいつの間にやらソファーで眠ってしまっていた。二人はなんとも怠惰な過ごし方でその日の午前を終えたのだった。