旦那様は仏様 ～もっとイチャイチャしたいんです～

「美咲さん。起きてください。もうお昼ですよ」
「……え？」
「おはようございます。すみません、私も一緒に眠ってしまって。気づけばこんな時間になっていました」
「あ……すみません。私も眠っちゃって」
「いいえ。とても心地よかったですからね。ふふ、こんなにだらけた休日は初めてです。でも、最高に幸せな休日ですね」
「はい……幸せすぎておかしくなっちゃいそうです。でも、ずっとこうしてたい」
「そうですね。今日はずっと一緒に過ごしましょうか」
「はい」

　聡一が自分の時間を全部美咲にくれると言ってくれたみたいで嬉しい。ものすごく贅沢な休日だ。

「では、これから一緒にお昼ご飯を作りませんか？」
「一緒に？」
「はい。そういう過ごし方もいいでしょう？」

　確かに一緒に料理をするのもとても楽しそうだ。二人とも料理はできるから基本的には交代で作っているのだが、いつもその日の担当が一人で作るので、一緒に料理をしたことはない。美咲は特に強いこだわりがあるわけでもないし、一緒に料理をしてもストレスを感じたりすることはないだろう。むしろ面白そうだ。

「いいですね！　楽しそう」
「うん。では、今日は美咲さんがよく作ってくださるチャーハンの作り方を教えていただけますか？」
「え、いいですけど……そんなのでいいんですか？」
「もちろん。私はとても好きですから。ぜひ、教えてください」

　美咲のチャーハンは味付けだけ毎回同じで、材料はそのときあるものを適当に使って作っている。人様に教えるような大したものではないのだが、聡一がそれがいいと言うなら特に反対することもない。美咲が聡一に「わかりました」と返事をすると、二人は早速キッチンへと向かい、調理に取りかかった。