旦那様は仏様 ~もっとイチャイチャしたいんです~
 そんな甘い生活をしばらく送ったあと、美咲はまた千佳と会って聡一との出来事を話していた。もう飽和状態になっている甘さと消化しきれない欲を吐きだしたくてたまらなかったのだ。

「あっま! 何それ、砂吐きそうなんだけど」
「本当に糖尿病になりそうなくらい甘いよね」
「ねぇ、実はもう最後までした? どう考えても一線超えた雰囲気なんだけど」
「してないってば……キスもまだだって」
「どんだけ高度なプレイなの」
「もう変な言い方しないで!」

 千佳はすぐにからかう。美咲が千佳に怒ってみせても、千佳は肩を軽くすくめるだけだ。

「はいはい。いやー、それにしてもあんたの旦那、相当頑張ってると思うわ」
「え?」
「かなり我慢してると思うよ?」

 聡一はそんな素振りは一切見せていない。いつだって涼しい顔で美咲に接してくる。

「そうかなあ?」
「そうだって」
「うーん。でも、そうなら我慢しなくていいのに……私もそろそろキスしたい」
「そんだけ至近距離にいるんだし、自分からチュッてしちゃえばいいじゃん」
「うん……うー、やばい。想像しただけでもう……」

 聡一とキスするところを想像しただけで何かが爆発してしまいそうな気持ちに襲われる。美咲はじっとしていられなくて、両手で顔を覆い、足をバタバタとさせた。

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