旦那様は仏様 ~もっとイチャイチャしたいんです~
「え、何? どうした?」
「もっと重大な事実に気づいてしまった」
「何?」
「私も『好き』って言ったことない」
「……うそでしょ?」
千佳はたっぷりと間をおいてから、その台詞を口にし、信じられないという顔で美咲を見てきた。美咲も信じられない。だが、思い返しても自分がそれを口にした記憶がないのだ。
「たぶん、言ってない」
「えー……それ言わないでどうやって結婚まで行くのよ……」
「聡一さんにおんぶにだっこっていうか、あれよあれよという間に結婚まで進んだから」
本当にこんなに素敵な人が私と結婚してくれるのかと舞い上がっているうちに、すべてがあっという間に進んで、二人の暮らしが始まったのだ。恋人らしい行為は一切なく結婚までいってしまったから、好きと伝えるタイミングなど初心者の美咲にわかるはずもない。結婚してからも結局何の進展もなかったから、ただモヤモヤとするばかりで、大事なその言葉を一切告げずに今日まで来てしまったわけだ。
「もっと重大な事実に気づいてしまった」
「何?」
「私も『好き』って言ったことない」
「……うそでしょ?」
千佳はたっぷりと間をおいてから、その台詞を口にし、信じられないという顔で美咲を見てきた。美咲も信じられない。だが、思い返しても自分がそれを口にした記憶がないのだ。
「たぶん、言ってない」
「えー……それ言わないでどうやって結婚まで行くのよ……」
「聡一さんにおんぶにだっこっていうか、あれよあれよという間に結婚まで進んだから」
本当にこんなに素敵な人が私と結婚してくれるのかと舞い上がっているうちに、すべてがあっという間に進んで、二人の暮らしが始まったのだ。恋人らしい行為は一切なく結婚までいってしまったから、好きと伝えるタイミングなど初心者の美咲にわかるはずもない。結婚してからも結局何の進展もなかったから、ただモヤモヤとするばかりで、大事なその言葉を一切告げずに今日まで来てしまったわけだ。