旦那様は仏様 ~もっとイチャイチャしたいんです~
「聡一さん、家のことは私がやるのでゆっくり休んでてください」

 家に帰ると、美咲はすぐさまそう告げた。とにかく今は安静にしていてほしい。彼に何かあれば後悔してもしきれないのだから。

「そんなに心配なさらなくても大丈夫ですよ」
「いいえ、心配します! 絶対に休んでてください!」
「わかりました。では、お言葉に甘えてゆっくりさせてもらいます」

 美咲の意志が固いとわかって、聡一は困った顔をしながらも受け入れてくれた。

「はい。あの、汚れた服は出しておいてください。あとで洗濯しますから」
「ありがとうございます。では、よろしくお願いします」


 そのあと美咲は気を紛らわすように家事に集中した。いつもより早く帰宅したから、夕飯も早めに作ってしまい、やるべきことすべてを終えると美咲はソファーに座っていた聡一の隣に自分も座った。
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