旦那様は仏様 ~もっとイチャイチャしたいんです~
「美咲さん、ちょっと待っていてくださいね」
聡一はそう言って一度書斎に消えると、ノートPCを持って戻ってきた。
「美咲さん、観たい映画のタイトルを教えていただけますか?」
素直に映画のタイトルを教えるとノートPCの画面を見せられた。そこには映画館の上映スケジュールが映し出されている。
「行くならここの映画館ですかね。行きたい日程はもう決まっていますか?」
「いえ、聡一さんに聞いてからと思っていたので、まだです」
「では、次の土曜日でも構いませんか?」
「はい、大丈夫です」
「うん、わかりました。えーと、土曜日でしたら……午前から午後までコンスタントに上映されているみたいですね。ご希望の時間はありますか?」
なんと聡一は一緒に計画を立ててくれるらしい。聡一が尊すぎて拝みたくなってくる。聡一が一緒に出かけてくれるだけで美咲はもう十分嬉しい。だから、何時でもいいですよとそう言おうとして、いや待てよと思いとどまった。もしかしたら朝から行けば、映画のあとにもうちょっとデートできるのではないか、という下心が顔を出したのだ。
「えっとー、じゃあ、午前でもいいですか?」
「もちろん、構いませんよ。朝一の回にしますか? お昼前の回にしますか?」
「……じゃあ、朝一で」
欲望に負けてしまった。卑しい自分が少し恥ずかしくなるが、聡一はにこにことしてとても楽しそうだ。
「わかりました。ふふっ、楽しみですね。当日は頑張って早起きしましょう」
「はい。でも、聡一さんはいつも早起きですから」
「それは美咲さんもでしょう? まあ、二人して寝坊してしまわないよう気をつけましょうか」
「はい。でも、楽しみで眠れなくなっちゃうかもしれません」
「あはは。美咲さんは本当にかわいらしい方ですね。前日は早めに寝ましょう。それでも寝坊してしまったときは私が起こして差し上げます」
これだから美咲は彼に心をつかまれて仕方ない。夫婦らしい行いは一切ないのに、こうして美咲のことを慈しんでくれるから、半年何もなくても彼に愛想が尽きることなんて決してないのだ。
聡一はそう言って一度書斎に消えると、ノートPCを持って戻ってきた。
「美咲さん、観たい映画のタイトルを教えていただけますか?」
素直に映画のタイトルを教えるとノートPCの画面を見せられた。そこには映画館の上映スケジュールが映し出されている。
「行くならここの映画館ですかね。行きたい日程はもう決まっていますか?」
「いえ、聡一さんに聞いてからと思っていたので、まだです」
「では、次の土曜日でも構いませんか?」
「はい、大丈夫です」
「うん、わかりました。えーと、土曜日でしたら……午前から午後までコンスタントに上映されているみたいですね。ご希望の時間はありますか?」
なんと聡一は一緒に計画を立ててくれるらしい。聡一が尊すぎて拝みたくなってくる。聡一が一緒に出かけてくれるだけで美咲はもう十分嬉しい。だから、何時でもいいですよとそう言おうとして、いや待てよと思いとどまった。もしかしたら朝から行けば、映画のあとにもうちょっとデートできるのではないか、という下心が顔を出したのだ。
「えっとー、じゃあ、午前でもいいですか?」
「もちろん、構いませんよ。朝一の回にしますか? お昼前の回にしますか?」
「……じゃあ、朝一で」
欲望に負けてしまった。卑しい自分が少し恥ずかしくなるが、聡一はにこにことしてとても楽しそうだ。
「わかりました。ふふっ、楽しみですね。当日は頑張って早起きしましょう」
「はい。でも、聡一さんはいつも早起きですから」
「それは美咲さんもでしょう? まあ、二人して寝坊してしまわないよう気をつけましょうか」
「はい。でも、楽しみで眠れなくなっちゃうかもしれません」
「あはは。美咲さんは本当にかわいらしい方ですね。前日は早めに寝ましょう。それでも寝坊してしまったときは私が起こして差し上げます」
これだから美咲は彼に心をつかまれて仕方ない。夫婦らしい行いは一切ないのに、こうして美咲のことを慈しんでくれるから、半年何もなくても彼に愛想が尽きることなんて決してないのだ。