旦那様は仏様 ~もっとイチャイチャしたいんです~
 二人とも入浴を終え、あとはもう寝るまでの時間を過ごすばかりというとき、聡一から「おいで?」と声をかけられた。このタイミングで呼ばれたことに驚きつつも、聡一のそばまで寄ってみれば、聡一はストレートにその言葉を口にした。

「美咲さん。約束通りイチャイチャしましょう」

(だから、聡一さんの「イチャイチャ」の破壊力よ……)

 まさかもう一度聡一から「イチャイチャ」のワードを聞くことになるとは思わなくて、美咲は聡一を前に身もだえた。そんな美咲に聡一は「どうぞ?」と言って、自分の前の空間を空けてくれる。昨日と同じことをしてくれようとしているのだろう。冷静な状態になっている今はとても恥ずかしいが、この先の幸福を知っているから美咲は迷うわけもない。素直に聡一の胸の中へとその身を預けた。

「ああ、本当に癒されますね。疲れも吹き飛びます」

 聡一は優しく美咲を抱きしめると昨日と同じように優しく頭を撫ではじめた。心地よくてたまらない。何も考えずにこのまま浸ってしまいたいが、美咲は一つだけ聡一にどうしても聞いておきたいことがあった。

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