敏腕社長との秘密の身ごもり一夜~身を引くはずが、迎えにきた御曹司に赤ちゃんごと溺愛されました~
「社長!」
神野が驚愕で叫ぶ。それから周囲の迷惑を考え、慌てて口を押えた。
要さんはふっと微笑み、私の隣に立った。
「神野、今日は妻と息子と会ってくれてありがとう」
「え、ええ? どういうことですか? 社長の妻?」
だまし討ちみたいになってしまった。なにしろ、要さんがここに現れるとは思わなかったのだから。
私は大地を抱いたまま、がばっと頭を下げた。
「言い出せなくてごめんなさい。私、要さんと夫婦になったの!」
「落ち着いたら報告をと思っていたんだが、そういうことだ」
神野が目を見開き、口をぱくぱくとさせているけれど、言葉は出てこなかった。
「そ……うだったんですか。おめでとうございます」
ようやく出てきた言葉を聞き、私は心底悪いことをしてしまったなと感じていた。内情を探るつもりが、神野に気まずい思いをさせる結末になってしまった。
要さんもまじえてコーヒーを飲み、大地がぐずり始めたので早々に店を出た。
「神野、今日はありがとう。色々ごめんね」
「いや……高垣が幸せならいいよ。同期にも報告していいんだよな」
「うん。あのね。でも、どうしてもひとつだけ訂正させて」
大地をあやしている要さんの目を盗んでひそひそ声で言った。
「要さんは女遊びなんかしていないから。猪川グループのご令嬢とは双方合意でお別れしてる。そこだけは誤解しないで」
神野が驚愕で叫ぶ。それから周囲の迷惑を考え、慌てて口を押えた。
要さんはふっと微笑み、私の隣に立った。
「神野、今日は妻と息子と会ってくれてありがとう」
「え、ええ? どういうことですか? 社長の妻?」
だまし討ちみたいになってしまった。なにしろ、要さんがここに現れるとは思わなかったのだから。
私は大地を抱いたまま、がばっと頭を下げた。
「言い出せなくてごめんなさい。私、要さんと夫婦になったの!」
「落ち着いたら報告をと思っていたんだが、そういうことだ」
神野が目を見開き、口をぱくぱくとさせているけれど、言葉は出てこなかった。
「そ……うだったんですか。おめでとうございます」
ようやく出てきた言葉を聞き、私は心底悪いことをしてしまったなと感じていた。内情を探るつもりが、神野に気まずい思いをさせる結末になってしまった。
要さんもまじえてコーヒーを飲み、大地がぐずり始めたので早々に店を出た。
「神野、今日はありがとう。色々ごめんね」
「いや……高垣が幸せならいいよ。同期にも報告していいんだよな」
「うん。あのね。でも、どうしてもひとつだけ訂正させて」
大地をあやしている要さんの目を盗んでひそひそ声で言った。
「要さんは女遊びなんかしていないから。猪川グループのご令嬢とは双方合意でお別れしてる。そこだけは誤解しないで」