敏腕社長との秘密の身ごもり一夜~身を引くはずが、迎えにきた御曹司に赤ちゃんごと溺愛されました~
「……わかったよ。俺も下世話な噂を信じて悪かった」
神野と別れ、要さんと並んで帰宅した。大地が不機嫌だったので、電車に乗っている間はろくに会話もできず、ふたりで交互に大地をあやした。ようやくマンションに帰り着く。オムツを替えて授乳を始めると、大地は落ち着いて飲み始めた。
「まさか、お店に見にくるなんて思いもしませんでしたよ」
少々不満げに言うと要さんは笑った。
「はは。悪かった。実は、昨日総務部に寄ったときに、神野が他の同僚に『明日、久しぶりに高垣と会うんです』なんて話しているのを聞いてさ」
「そうだったんですか」
「都子のことだ。神野から会社の今の状況でも聞き出そうとしたんじゃないか?」
どうやら、なにもかもお見通しだったようだ。私はふうと息をついて、答えた。
「お察しの通りです。神野から、猪川グループとの仕事がなくなり負債が出ていると聞いて。転職を考えている同期までいると言うものですから」
どうして教えてくれなかったんですか? 私の言葉も視線も言外にそう伝えてしまっている。
授乳を終えると、要さんが大地を受け取りげっぷをさせてくれた。だいぶしっかりしてきた大地は、げっぷも上手に出せるようになっている。
すっきりすると、要さんの腕の中でご機嫌におしゃべりを始めた。
神野と別れ、要さんと並んで帰宅した。大地が不機嫌だったので、電車に乗っている間はろくに会話もできず、ふたりで交互に大地をあやした。ようやくマンションに帰り着く。オムツを替えて授乳を始めると、大地は落ち着いて飲み始めた。
「まさか、お店に見にくるなんて思いもしませんでしたよ」
少々不満げに言うと要さんは笑った。
「はは。悪かった。実は、昨日総務部に寄ったときに、神野が他の同僚に『明日、久しぶりに高垣と会うんです』なんて話しているのを聞いてさ」
「そうだったんですか」
「都子のことだ。神野から会社の今の状況でも聞き出そうとしたんじゃないか?」
どうやら、なにもかもお見通しだったようだ。私はふうと息をついて、答えた。
「お察しの通りです。神野から、猪川グループとの仕事がなくなり負債が出ていると聞いて。転職を考えている同期までいると言うものですから」
どうして教えてくれなかったんですか? 私の言葉も視線も言外にそう伝えてしまっている。
授乳を終えると、要さんが大地を受け取りげっぷをさせてくれた。だいぶしっかりしてきた大地は、げっぷも上手に出せるようになっている。
すっきりすると、要さんの腕の中でご機嫌におしゃべりを始めた。