敏腕社長との秘密の身ごもり一夜~身を引くはずが、迎えにきた御曹司に赤ちゃんごと溺愛されました~
「社長、今日は血圧が高めだから酒は控えるとおっしゃっていたんですけどね」
四十代の渋井さんは自分の旦那さんに対するような言い方で眉をひそめている。隣の部屋から聞こえる社長の笑い声はお酒が進んでいる様子が感じられたからだ。
結局、議員を送り出したところで酔った社長を要さんと渋井さん、私の三人で家に送ることとなった。
金曜夜の日本橋は遅い時間でもまだ人が多い。忘年会などの時期なのだろう。渋井さんが運転する車に社長を乗せ、要さんも同乗する。私がその後を車で追った。
雪谷にある要さんの実家に送り、渋井さんとはそこで別れた。私の運転で要さんを広尾のマンションに送るのだ。
「充分お召し上がりになりましたか? まだお腹が減っているようなら、どこかに寄りますが。お水は家にありますか?」
後部座席の要さんは酔っているようには見えない。
いつも助手席に乗るのに、今日は後部座席。酔っているからくつろぎたいのかと思っていた。
「今日は家に戻らない。ホテルに部屋を取ってるんだ。六本木のガーデンヒルホテル」
「リフレッシュステイですか? では、そちらにお送りしますね」
「高垣も、来るか?」
え? と問い返した言葉はかすか過ぎて車内に溶けた。どういう意味か聞いた方がいいだろうか。
四十代の渋井さんは自分の旦那さんに対するような言い方で眉をひそめている。隣の部屋から聞こえる社長の笑い声はお酒が進んでいる様子が感じられたからだ。
結局、議員を送り出したところで酔った社長を要さんと渋井さん、私の三人で家に送ることとなった。
金曜夜の日本橋は遅い時間でもまだ人が多い。忘年会などの時期なのだろう。渋井さんが運転する車に社長を乗せ、要さんも同乗する。私がその後を車で追った。
雪谷にある要さんの実家に送り、渋井さんとはそこで別れた。私の運転で要さんを広尾のマンションに送るのだ。
「充分お召し上がりになりましたか? まだお腹が減っているようなら、どこかに寄りますが。お水は家にありますか?」
後部座席の要さんは酔っているようには見えない。
いつも助手席に乗るのに、今日は後部座席。酔っているからくつろぎたいのかと思っていた。
「今日は家に戻らない。ホテルに部屋を取ってるんだ。六本木のガーデンヒルホテル」
「リフレッシュステイですか? では、そちらにお送りしますね」
「高垣も、来るか?」
え? と問い返した言葉はかすか過ぎて車内に溶けた。どういう意味か聞いた方がいいだろうか。