敏腕社長との秘密の身ごもり一夜~身を引くはずが、迎えにきた御曹司に赤ちゃんごと溺愛されました~
そんなふうに食い下がるとは思わなかったので、私は困惑して答える。
「秘書課から新しい担当がつきますし、引継ぎは抜かりなくやります。要さんは今まで通り不便なくお仕事ができると思います」
「俺は高垣でないと困ると言っているんだ」
そう言った彼は、子どもみたいな顔をしていた。悲しいようなやるせないような表情だ。
「私の代わりはいくらでもいます」
要さんは麻里佳さんと幸せになるのだ。言葉にはしないけれど、どうかもう二心は抱かないでほしい。たった一夜の過ちだとしても私のような女を作らず、麻里佳さんと向き合ってほしい。
すると足音とともに、ノックなしでドアが開いた。
そこにいたのは岩切社長、要さんのお父さんだ。
「要、麻里佳さんとの婚約式の正式な日取りが決まったぞ」
どくんと私の心臓が跳ねた。身体全体が揺れたくらいの衝撃だった。
婚約式……そんな話が出ていたのか。いや、あってもおかしくない。
「社長、今はそういう話は」
「何を言っているんだ。麻里佳さんのお腹にはおまえの子がいるんだぞ。一刻も早く、妻として娶るのが男の責任だろう」
息が止まりそうになる。麻里佳さんのお腹に……要さんの赤ちゃんが?
私は無意識のうちに自分のお腹を触っていた。ここにもいるのだ。要さんの赤ちゃんが。
「秘書課から新しい担当がつきますし、引継ぎは抜かりなくやります。要さんは今まで通り不便なくお仕事ができると思います」
「俺は高垣でないと困ると言っているんだ」
そう言った彼は、子どもみたいな顔をしていた。悲しいようなやるせないような表情だ。
「私の代わりはいくらでもいます」
要さんは麻里佳さんと幸せになるのだ。言葉にはしないけれど、どうかもう二心は抱かないでほしい。たった一夜の過ちだとしても私のような女を作らず、麻里佳さんと向き合ってほしい。
すると足音とともに、ノックなしでドアが開いた。
そこにいたのは岩切社長、要さんのお父さんだ。
「要、麻里佳さんとの婚約式の正式な日取りが決まったぞ」
どくんと私の心臓が跳ねた。身体全体が揺れたくらいの衝撃だった。
婚約式……そんな話が出ていたのか。いや、あってもおかしくない。
「社長、今はそういう話は」
「何を言っているんだ。麻里佳さんのお腹にはおまえの子がいるんだぞ。一刻も早く、妻として娶るのが男の責任だろう」
息が止まりそうになる。麻里佳さんのお腹に……要さんの赤ちゃんが?
私は無意識のうちに自分のお腹を触っていた。ここにもいるのだ。要さんの赤ちゃんが。