敏腕社長との秘密の身ごもり一夜~身を引くはずが、迎えにきた御曹司に赤ちゃんごと溺愛されました~
保育園に預けられる月齢になったら、仕事を探そう。
幸い、この土地の待機児童はなく、希望すればどこかの園には入れるそうだ。子ども座席のついた自転車を買えば、少し遠くの園でも送り迎えができるだろう。
田畑の多い、山間ののどかな町は、東京よりずっと寒く感じたが、どことなく懐かしく安心できた。

昼食のため、大地を布団におろすと、ぱっちりと目が開いた。

「あら、起きちゃったね。大地」
「あー」

ご機嫌な声が聞こえる。よかった。目覚めて大泣きというパターンも多い。

「オムツ替えて、おっぱい飲もうか」

自分の昼食より、大地の世話。これは世の中の母親は大抵経験しているのではないだろうか。
初心者ママの私は、オムツも授乳もまだまだ慌ただしくて慣れない。
連続して寝てくれないときは、世話を重労働だと感じる。正直に言えば、時々思う。ひとりで産んで育てるなんて無謀だったかなと。
< 33 / 108 >

この作品をシェア

pagetop