敏腕社長との秘密の身ごもり一夜~身を引くはずが、迎えにきた御曹司に赤ちゃんごと溺愛されました~
「とりあえず、寒いし中に入りなさい。大地くんも下ろして」
「うん」
私は室内に入り、マザーコートを脱ぐと抱っこ紐の中の大地を下ろした。バスに乗ったあたりから大地は眠っていたけれど、抱っこ紐から降ろして布団に寝かせた瞬間に「ふええ」と声をあげる。祖母がすかさず抱き上げてくれた。
祖父の向かいのこたつに座る。
「都子、岩切さんはおまえを訪ねてきた。もうこの家からも引っ越したとは伝えた。おまえの方に何か連絡はないのか」
「ない……。もう何か月も。こっちから、連絡はしないでと伝えてある」
「大地は、あの人の子か」
祖父に言われ、隠し立てしても無駄だと感じた。要さんを見れば、大地の中にその遺伝子があるのは感じられるだろう。
「そうです。一緒になれる人ではないから、ひとりで産んで育てることにしたの」
「岩切さんは大地くんが産まれたことも知らないの?」
祖母が大地をあやしながら尋ねてくる。ショックを受けた表情をしている。父親の詮索はしないでほしいと言ったのは私だったのに、その父親が尋ねてきたのだ。
「知らないはず」
「何も言わずに会いに来たっていうのは、都子が逃げるかもしれないと思ってだろう。案外、察してるんじゃないか?」
祖父の言葉に私は狼狽した。まさか、そんなはずはない。
「うん」
私は室内に入り、マザーコートを脱ぐと抱っこ紐の中の大地を下ろした。バスに乗ったあたりから大地は眠っていたけれど、抱っこ紐から降ろして布団に寝かせた瞬間に「ふええ」と声をあげる。祖母がすかさず抱き上げてくれた。
祖父の向かいのこたつに座る。
「都子、岩切さんはおまえを訪ねてきた。もうこの家からも引っ越したとは伝えた。おまえの方に何か連絡はないのか」
「ない……。もう何か月も。こっちから、連絡はしないでと伝えてある」
「大地は、あの人の子か」
祖父に言われ、隠し立てしても無駄だと感じた。要さんを見れば、大地の中にその遺伝子があるのは感じられるだろう。
「そうです。一緒になれる人ではないから、ひとりで産んで育てることにしたの」
「岩切さんは大地くんが産まれたことも知らないの?」
祖母が大地をあやしながら尋ねてくる。ショックを受けた表情をしている。父親の詮索はしないでほしいと言ったのは私だったのに、その父親が尋ねてきたのだ。
「知らないはず」
「何も言わずに会いに来たっていうのは、都子が逃げるかもしれないと思ってだろう。案外、察してるんじゃないか?」
祖父の言葉に私は狼狽した。まさか、そんなはずはない。