敏腕社長との秘密の身ごもり一夜~身を引くはずが、迎えにきた御曹司に赤ちゃんごと溺愛されました~
「高垣!」
要さんが私の姿を見て、名を呼ぶ。私は歩み寄り、頭を下げた。
「要さん、私はもう会わないと言いました。お帰りください」
「あの赤ん坊の声はおまえの子なのか?」
「要さん、ご結婚された方が元秘書とはいえ、異性の家にやってくるのは……」
「俺は結婚していない。それは彼女も納得済だ。婚約は解消した」
私ははじかれたように顔をあげた。うぬぼれた考えなら私のために麻里佳さんとの結婚をやめたというのだろうか。
「ご迷惑をおかけしました。ですが」
「頼む。高垣、話を聞いてくれ。そして、赤ん坊の顔を見せてくれ」
「あなたには関係ありません」
そう言いながら、もう要さんが察しているように思えた。私の態度、状況、彼が不審に思わないわけがない。
「都子」
声がして、振り向くとそこには大地を抱いた祖母が廊下に出てきていた。
祖母もまた、隠しても無駄だと思ったのだろう。
「おばあちゃん」
私はまだ泣きじゃくっている大地を祖母から受け取った。要さんは大地の顔を覗き込み、言った。
「俺の子だな」
違うと言いたかった。しかし、彼は敏い。もう無駄だろう。
こくりと頷き、それから私は言った。
「あなたの子です。でも、私の息子です。もう、関わり合いのないこと」
要さんが私の姿を見て、名を呼ぶ。私は歩み寄り、頭を下げた。
「要さん、私はもう会わないと言いました。お帰りください」
「あの赤ん坊の声はおまえの子なのか?」
「要さん、ご結婚された方が元秘書とはいえ、異性の家にやってくるのは……」
「俺は結婚していない。それは彼女も納得済だ。婚約は解消した」
私ははじかれたように顔をあげた。うぬぼれた考えなら私のために麻里佳さんとの結婚をやめたというのだろうか。
「ご迷惑をおかけしました。ですが」
「頼む。高垣、話を聞いてくれ。そして、赤ん坊の顔を見せてくれ」
「あなたには関係ありません」
そう言いながら、もう要さんが察しているように思えた。私の態度、状況、彼が不審に思わないわけがない。
「都子」
声がして、振り向くとそこには大地を抱いた祖母が廊下に出てきていた。
祖母もまた、隠しても無駄だと思ったのだろう。
「おばあちゃん」
私はまだ泣きじゃくっている大地を祖母から受け取った。要さんは大地の顔を覗き込み、言った。
「俺の子だな」
違うと言いたかった。しかし、彼は敏い。もう無駄だろう。
こくりと頷き、それから私は言った。
「あなたの子です。でも、私の息子です。もう、関わり合いのないこと」