敏腕社長との秘密の身ごもり一夜~身を引くはずが、迎えにきた御曹司に赤ちゃんごと溺愛されました~
翌日私たちは午前中に雪谷の要さんの実家へ向かった。ここに来るのは、酔った会長を送ってきた以来だ。家屋の中に入るのは初めてになる。

「お邪魔します」
「高垣さん、いらっしゃい」

玄関まで来て出迎えてくれた会長と奥様は、まず私の腕の中の大地を見て息を飲んだ。

「この子が……」

会長の声がかすかにふるえていた。
私は頷き、顔が見えるように抱き方を変える。

「大地といいます。……要さんの子どもです」
「まあ、可愛い。要にも高垣さんにも似ているわ。さあさあ、お上がんなさい」

明るい声を出したのは奥様で、室内に招き入れてくれる。
広々とした邸宅は、大企業のトップに相応しい立派なものだったが、室内はシンプルで落ち着いたインテリアでまとめられていて、奥様の趣味を感じさせた。
大人が四人と赤ん坊がひとり、リビングで向かい合った。

「この度は申し訳ありませんでした。要さんの赤ちゃんを勝手に産み、ひとりで育てようとしたことをお詫びします」
「以前から話していた通り、俺はずっと彼女のことが好きだった。麻里佳とは関係を解消する前提で、彼女と関係を結んだ。麻里佳との婚約解消を成立させる前に、彼女を妊娠させた俺が悪い」
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