敏腕社長との秘密の身ごもり一夜~身を引くはずが、迎えにきた御曹司に赤ちゃんごと溺愛されました~
「麻里佳さんと恋人にも事情があるみたい。だけど、要さんと私は猪川家と話し合って納得させたい。その上で、私と要さん、大地は家族になりたいの」
「俺は認めたくないぞ」
祖父が深く息をついた。うつむいて大地を見つめる顔はさみしげだ。
「おまえの母親は、夫に捨てられた。意地もあってか、ひとりでおまえを育てて身体を壊してな。俺は愛娘を捨てた男を恨んだよ」
「顔も知らない私の父親と要さんを一緒にしてほしくない」
私は静かに言った。祖父の気持ちはわかるが、要さんはそんな人ではないと理解してほしい。
「私、お母さんとの日々を寂しく思ったことはなかったよ。おじいちゃんとおばあちゃんと暮らすようになって愛情もいっぱいもらったよ。無責任な私の父親は、私にとって最初から家族じゃない。私にとって大事なのは目の前にいる人。その中に要さんもいるの。要さんは大地の父親で、今ここにいてくれる私の愛する人。この先何があるかはわからないけれど、要さんとなら乗り越えていけると思うのよ」
祖父は少し驚いたように目を見開いた。
「都子の気持ちは、「岩切社長と暮らす」で完全に固まったってことか」
「俺は認めたくないぞ」
祖父が深く息をついた。うつむいて大地を見つめる顔はさみしげだ。
「おまえの母親は、夫に捨てられた。意地もあってか、ひとりでおまえを育てて身体を壊してな。俺は愛娘を捨てた男を恨んだよ」
「顔も知らない私の父親と要さんを一緒にしてほしくない」
私は静かに言った。祖父の気持ちはわかるが、要さんはそんな人ではないと理解してほしい。
「私、お母さんとの日々を寂しく思ったことはなかったよ。おじいちゃんとおばあちゃんと暮らすようになって愛情もいっぱいもらったよ。無責任な私の父親は、私にとって最初から家族じゃない。私にとって大事なのは目の前にいる人。その中に要さんもいるの。要さんは大地の父親で、今ここにいてくれる私の愛する人。この先何があるかはわからないけれど、要さんとなら乗り越えていけると思うのよ」
祖父は少し驚いたように目を見開いた。
「都子の気持ちは、「岩切社長と暮らす」で完全に固まったってことか」