敏腕社長との秘密の身ごもり一夜~身を引くはずが、迎えにきた御曹司に赤ちゃんごと溺愛されました~
「はい」
『猪川ですが、要くんはいるかね』
横柄な口調にいっそう不快な気分になる。
「でかけております」
『その声は高垣都子さんかな。要くんと話があるから、通してもらえるか』
出かけていると言っているのに、この態度。胸が重くなりながらも、通そうと決めた。避けているとは思われたくない。
部屋にやってきた猪川夫妻はどっかりとソファに腰を下ろした。
「なんだ、本当に要くんはいないのか」
「……出かけております」
お茶だけ入れると、ベビーベッドでぐずっていた大地を抱っこ紐で抱き上げた。このまま、要さんが帰るまで待とう。私は余計なことを言わない方がいい。
「その子が要くんとの子か」
「うちの娘と婚約関係中にいやらしい」
猪川夫妻が遠慮なく言葉を投げつけて来る。
「麻里佳は要くんに騙されたんだ。だから行きずりの男と子どもなんか作った。まあ、騙されたという意味ではきみもかな。あの男に麻里佳と別れたと言いくるめられて関係を持ったんだろう」
「それでも、婚約関係を壊したのはあなたですからね。慰謝料は払ってもらいますよ」
黙っている私に、ぽんぽんと言葉をぶつけてくる。
怒りを覚えた。なんでこんなに自分都合で考えられるのだろう。私や要さんにも感情があると知らないのだろうか。娘や孫の気持ちを考えたことがあるのだろうか。
『猪川ですが、要くんはいるかね』
横柄な口調にいっそう不快な気分になる。
「でかけております」
『その声は高垣都子さんかな。要くんと話があるから、通してもらえるか』
出かけていると言っているのに、この態度。胸が重くなりながらも、通そうと決めた。避けているとは思われたくない。
部屋にやってきた猪川夫妻はどっかりとソファに腰を下ろした。
「なんだ、本当に要くんはいないのか」
「……出かけております」
お茶だけ入れると、ベビーベッドでぐずっていた大地を抱っこ紐で抱き上げた。このまま、要さんが帰るまで待とう。私は余計なことを言わない方がいい。
「その子が要くんとの子か」
「うちの娘と婚約関係中にいやらしい」
猪川夫妻が遠慮なく言葉を投げつけて来る。
「麻里佳は要くんに騙されたんだ。だから行きずりの男と子どもなんか作った。まあ、騙されたという意味ではきみもかな。あの男に麻里佳と別れたと言いくるめられて関係を持ったんだろう」
「それでも、婚約関係を壊したのはあなたですからね。慰謝料は払ってもらいますよ」
黙っている私に、ぽんぽんと言葉をぶつけてくる。
怒りを覚えた。なんでこんなに自分都合で考えられるのだろう。私や要さんにも感情があると知らないのだろうか。娘や孫の気持ちを考えたことがあるのだろうか。