お飾り側妃になりましたが、ヒマなので王宮内でこっそり働きます! ~なのに、いつのまにか冷徹国王の溺愛に捕まりました~
ひょいっと机にあった金貨の袋を持ち上げてみる。重い。オリアナの一生と引き換えの金だ。だが、この重さが家族を救ってくれる。
じゃらっと袋の中で鳴る音を聞きながら、オリアナは親友の言葉にこくりと頷いた。
「ええ。要は、多額の結納金を用意してくれた相手に嫁ぐということよね? 娼館に行くのよりはましだし、兄妹の将来も守ってやれるわ」
「オリアナ――」
青い顔で、セイジュがジッとこちらを見つめる。しばらくして、その顔がくしゃっと歪んだ。
「俺は、ずっとお前と一緒に将来も歩いていくのだと思っていた。それなのに、まさかこんな形で……お前と進む道が分かれる日が来るなんて……」
小さい頃から喧嘩したり、討論を交わしたりした友人の頬を流れる涙に、そっと優しく手を伸ばす。
「うん。だけど、道は変わっても方向は一緒だもの。後宮がどんなところかはよく知らないけれど、きっとなんとかなるから――」
ライオネルに会える。そう思うと、後宮に行くのも悪いことではないような気がしてくる。
「すまん。俺にもっと力があったら、なんとかしてやれたのに……」
俯いているセイジュは本当に辛いようだ。幼い頃からの友人の困難を助けられないのが悔しいのか、涙をこぼしている。
そして、真っ赤な目で顔を上げた。真剣な瞳でオリアナを見つめる。
「でも……、もし辛かったら、絶対に助けてやるから。いつかは、俺が試験に受かって……お前を解放できるように……、だからいつでも知らせてくれ」
「うん。ありがとう。私もこことは違う場所で、また会えるのを待っているわ」
じゃらっと袋の中で鳴る音を聞きながら、オリアナは親友の言葉にこくりと頷いた。
「ええ。要は、多額の結納金を用意してくれた相手に嫁ぐということよね? 娼館に行くのよりはましだし、兄妹の将来も守ってやれるわ」
「オリアナ――」
青い顔で、セイジュがジッとこちらを見つめる。しばらくして、その顔がくしゃっと歪んだ。
「俺は、ずっとお前と一緒に将来も歩いていくのだと思っていた。それなのに、まさかこんな形で……お前と進む道が分かれる日が来るなんて……」
小さい頃から喧嘩したり、討論を交わしたりした友人の頬を流れる涙に、そっと優しく手を伸ばす。
「うん。だけど、道は変わっても方向は一緒だもの。後宮がどんなところかはよく知らないけれど、きっとなんとかなるから――」
ライオネルに会える。そう思うと、後宮に行くのも悪いことではないような気がしてくる。
「すまん。俺にもっと力があったら、なんとかしてやれたのに……」
俯いているセイジュは本当に辛いようだ。幼い頃からの友人の困難を助けられないのが悔しいのか、涙をこぼしている。
そして、真っ赤な目で顔を上げた。真剣な瞳でオリアナを見つめる。
「でも……、もし辛かったら、絶対に助けてやるから。いつかは、俺が試験に受かって……お前を解放できるように……、だからいつでも知らせてくれ」
「うん。ありがとう。私もこことは違う場所で、また会えるのを待っているわ」