シュガートリック
そこには間違いなく、面倒くさそうな顔をしながら黒板を眺めている、日野春哉くんの姿があった。
「ということで花染さんと日野くん、よろしくね」
笑顔で言った先生の言葉に、あぁ……となる。
……これ、本当に人生終了かもしれない。
「えー!いいなあ花染さん私も春哉くんとなりたかった……!!」
……どうぞどうぞ。譲りますよ。
羨ましがる女の子の声に、ため息しか出てこない。
「え、でもさ、春哉くん女嫌いじゃん?花染さんと真逆すぎない?」
「確かに。お互いに一番苦手なタイプって感じ」
……そう、そこなんだよ。
噂上では、私と日野くんはタイプが真逆。
まあこれはあくまで噂上では、だけど。
チラッと日野くんの方を見ると、明らかに嫌そうな顔。
真っ黒なオーラがダダ漏れだ。
それに、ヒッとなる。