シュガートリック




早口でペラペラと言葉を並べる。



「めっちゃ喋るじゃん今日」

「喋ってないとやってらんないの!」

「キャラ崩壊……」


流歌ちゃんに突っ込まれていつもよりも声を張って返す。

それほど焦っているんだ。仕方ない。


「……応援してるよ」

「うぅ……流歌ちゃあん」


困ったように苦笑いしながら言った流歌ちゃんに、私の気分は下がっていった。



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そしてあっという間に次の日の昼休み。

放課後まで時間が迫ってきて胃が痛くなりそうになる。

ため息をつきながら廊下を歩いていると。


「きゃはは〜っ、識ウケる〜っ!」

「ほんと最高〜!」


近くから高い笑い声が聞こえてきて、ビクッとする。

……もしかして。


「……!雪音……!」


チラリ、と声がするほうを見ると、女の子何人かに囲まれている識くんがそこにいた。




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