シュガートリック




終わった……っ。

この空気が気まずくて、冷や汗がダラダラと出てくる。
なのに顔の熱は収まることがない。


「……誰?」

「…っへ?」

「……花染?」

「は、はい……っ」


ポカンとしながらも私に確認するように言う日野くんに、コクコクと頷く。


「……」

「……」


すると、無言になってプリントを拾い始めて。
私も釣られてプリントを集める。

でも心の中は大パニック。

……どうしよう、見られちゃった……っ!!
もうごまかせないよね、隠せないよね……っ。


全て集め終わると、日野くんは無言で私の持っているプリントを全部奪い歩き始めて。

それに私も大人しくついていく。

……何この空気。怖い怖い、あのー何考えてますか?
ごめんなさい不快にしてたら謝るから…っ!!


そのまま教室まで向かって日野くんは席に着くと、私に日野くんの目の前に座れと指を指してきた。




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