シュガートリック




するとそんな私を見て、ふぅと息を吐いた日野くんは。

……っ、え。

急に机から身を乗り出して、私に近づいてきて。
それに驚いてピタッと固まってしまう。

ま、まって、近くない……っ?

あまりの顔の近さに、どんどん顔に熱が溜まっていく。

じっと、私の瞳を見つめる日野くんを見つめ返すことができずに、下を向く。


「……少し触っていい?」

「…っへ?ちょ……っ」


しばらくして、体勢を元に戻して席に座った日野くんは、私にそう聞いてきて。

返事をする前に、机の上に置いてある私の手首を日野くんは握った。

こうやって男の子に触られるのは識くんだけだったのに、また新たに日野くんが追加される。

恥ずかしさに耐えられなくて、身体の体温が悲鳴をあげてきている。


「……っ、ひ、日野く……っ」

「……やっぱり」

「へ……っ?」

「花染は大丈夫みたい」



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