シュガートリック




そう言った日野くんに、驚くことしか出来ない。

大丈夫って……触っても鳥肌立たないってこと?

私だけではなく日野くんも驚いているようで。
手は繋がれたまま、呆然としている。


「あ、あの……っ、日野くん、手を……」

「……っ、あ、ごめん」


チラリと日野くんの方を見て言うと、ハッとしたのかパッと私から手を離した。
その日野くんの表情は照れているようにほんのりと赤くなっている。


それに私もまた照れてしまって沈黙が続いた。


「……とりあえず、作業しようか」

「そうだね……」


ぎこちなくため息をついた日野くんはそう提案して。
それに私も頷く。

プリントの山に手を伸ばし作業を始める。


「……あの、日野くん」

「……なに?」

「……このこと、黙っていてもらえませんか……」


プリントを分けてホッチキスで止めながら、おそるおそる話しかける。




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