シュガートリック




何が何だかよく分からなくて、困惑したようにそう声をかけると。

自分を落ち着けるように息を吐いた識くんは口を開いた。


「…体育祭実行委員のことなんだけど、」

「うん……?」

「春哉と一緒って、本当?」

「え……」


まさかの言葉に、目を見開く。

春哉くんのこと……?
てっきり知ってるのかと思ってた……。


「そうだよ……?」

「……」

「識くん……?」

「……知らなかった」


私の答えを聞いて、少し顔を引きつらせた識くん。

……ど、どうしたの……?なんか、嫌そう……?


「さっき綾野から聞いて」

「え、流歌ちゃんから……?」

「……春哉と、仲良くなったって本当?」

「えっと……」


流歌ちゃんから聞いたということに驚いてしまう。

なんでわざわざ流歌ちゃん言ったんだろう……?

それに、識くんの様子が少し変……な気がする。



< 124 / 344 >

この作品をシェア

pagetop