シュガートリック
……それに、春哉くんと識くんお互いに呼び捨てにしてるってことは、やっぱり知り合い……?
そう考えながらも、ハッとして私も口を開く。
「……私と識くんは、友達だよ」
「……え」
「だから、言い寄られてるわけじゃないよ」
ごめん春哉くん、紛らわしかったのかも。
さっきはあんな感じだったけど、ちゃんとした友達だから安心して欲しい。
「……」
「…春哉くん?」
「……〜〜っ!!」
「え」
固まった春哉くんに声をかけると、一瞬にして顔を赤らめる春哉くん。
バッと手で顔を隠して右を向いて。
「…っ、まってごめん、俺の勘違い……っ」
「……」
「うわ……恥ずっ、全然知らなくて……っ」
あーっと声を絞り出しながらその場に座り込んだ春哉くんに、ポカンとしたあと。
ふっと、笑いが込み上げてきた。
「…ふっ、大丈夫だよ」
「……」