シュガートリック




「……それって、俺に勝ち目ないってこと?」

「え……?」

「……はぁ」


私に向かって言ったよく分からない言葉。

それに首を傾げると、春哉くんはピタッと固まったあとため息をついた。


「……俺はあいつ嫌い」

「…うん」

「だから、花染のこと諦めるつもりはない」

「……ん?」


春哉くんから飛び出た言葉にピタッと固まる。

……私を、諦める……?どういうこと……?


「……はあ?」

「え?」

「え、なに?花染って、ピュアなだけじゃなくて鈍感なの」

「な……!?」


意味を理解できていない私を見て、驚きながらそう言う春哉くんにため息をつかれる。

え、だからどういうこと……!?

そう焦る私に、春哉くんは初めて私に笑みを見せた。


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放課後。

今日もクラスのみんなが帰ったあと、春哉くんと作業をする。




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