シュガートリック
そう伝えると、識くんは目を見開いた。
ついさっき『よりによってあいつかよ……』と春哉くんも言っていたことを思い出してしまう。
二人は……なんで仲悪くなっちゃったんだろう。
今でも息ピッタリなのに。
「……最悪」
「ふふっ」
「……雪音、また意味わかってないでしょ」
笑っている私を見て、ムッとした識くんは急に私に手を伸ばしてきて。
ムニっと、私の頬を右手で摘むと、
「言っとくけど、嫉妬だから。俺の前で春哉の名前出さないで」
顔を近づけてそう言った識くんに、やっと意味を理解してボンッと顔が熱くなる。
嫉妬……っ?!なんで、私相手に……っ?
一人テンパっている私に、意地悪そうに笑った識くんは。
「可愛すぎる。このままキスしてもいい?」
「……っ!?ダメだよ絶対……っ!」
余裕そうな表情で私を見つめてくる。
……っ、もう!変なこと言わないで……っ!
やっぱり識くんといると気が抜けない、かも。