シュガートリック




人に話しかけられるんじゃないかって、まだ起こってもないことに恐怖を感じていた。

だけど今は……そこまで怖くはない。
きっと……識くんがいることに安心してしまっている。


「…ふふっ、可愛いわね雪音は」

「…っもう、お母さん……!!」

「…おはよう……って、どうしたんだ雪音?」


お母さんにからかわれて恥ずかしくなっていたときに、お父さんが眠そうにしながらリビングにやってきて。

それからいつも通りの朝が始まった。



────────────────



「……はぁ〜〜っ!!雪音がいっちばん可愛い……っ!」

「…わあ、私巻いたの初めてだよ……!」


いつもより早く学校に行くと、アイロン片手に私を待っていた流歌ちゃんがいて。
速攻席に座らせられて、髪の毛を弄られた。


「ただポニーテールにして巻いただけなのに、なんでこんな可愛いわけ?」

「あ、ありがとう……」



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