シュガートリック
「……私も、好き」
「…っ!」
「識くんが好きです……っ!」
ぎゅううっと強く識くんの服を握って、ずっと言いたかった言葉を口にする。
私が言いきった瞬間、識くんはまた私の背中に手を回して抱き締め返してきて。
「…俺の彼女になって」
「っ、はい……!」
そう言った識くんに元気よく頷いた。
嬉しさで泣きそうになりながらも耐える。
身体が少し離れ目と目が合うと、同時にふふっと笑みが漏れた。
「…一年前の話、しようか」
「…え?一年前……?」
「そう」
すると、話を切り出した識くんに目を見開く。
一年前って……何の話?
「俺、一年前に一人の女の子助けたことあるんだよね」
「え……?」
「保健室で」
「……っ!」
急に何の話をしだしたのかと思ったら。
最後のその一言で、大きく心臓が動いた。
ドキドキと心臓が鳴って、手足が震え始める。
う、うそ……まさか……っ。