シュガートリック
満たされた愛
次の日の朝。
いつもよりも浮かれた気持ちで学校の門をくぐる。
いつもは気になる視線も声も、今はなんとも思わなくて。
目を合わせないように、と上手く上げられなかった目線も今日はしっかりと前を向いて堂々と歩けていた。
……浮かれすぎかな。
なんて思いながら軽い足取りで玄関まで歩いていると。
「…ゆーきね」
「…っ!」
「おはよ」
後ろから掛けられた声にドキッと心臓が動く。
勢いよくバッと後ろを振り向くと、そこには私に近づいてくる識くんがいた。
し、識くん……っ!!
会えた嬉しさと緊張から、心臓がどんどん加速していく。
「お、おはよう……っ」
目の前に来た識くんの目を上手く見れなくて、頭の中がうわああっとなってしまう。
ど、どうしよう……っ緊張しちゃうよ……っ。
そんな私に気がついたのか、ハハッと笑った声が上から聞こえて。