シュガートリック
手の震えがまだ収まらずにギュッと手に力を入れながら。
この、救世主であろうイケメンさんの目を見つめる。
……やっぱり、この人の目は見れる。
私の目線に気づいたこの人は、ふと私の手に視線を移してまた目に戻った。
すると、ニコッと目の前で笑ってきて。
え……?
なんだろう、と疑問に思っていると、
「…っ、ひゃ」
「…雪音?もう大丈夫だよ、安心して」
私の腰に腕を回したその人はグイッと私の身体を引き寄せてきた。
男の人の右手は私のお腹に、左手は私の左手を握って。
……耳元で、周りに見せつけるように囁かれる。
ま、まって……っ、これはさすがにやりすぎじゃ……っ!
かああっと顔に熱が溜まり、心臓がドキドキと加速する。
周りはザワザワとし始め、目の前の男の人はショックを受けたような顔をした。