シュガートリック




……え、流歌ちゃんが……?

それに驚いて目を見開く。


「いつも一緒なのにいいのかって聞いたら、お昼の時間ぐらい雪音のこと譲ってくれるって」

「ゆ、譲る……?」

「綾野さんも俺とライバルなのかな?雪音モテすぎて困っちゃうね」


る、流歌ちゃん…っ、識くんになにを……っ!

そう思って戸惑うと、識くんは笑ってるのか笑ってないのか分からないぐらいの笑みを浮かべてきた。


「だから一緒に食べよ」

「う、うん……っ」


でも、流歌ちゃんがいいって言うならいいか……。
と思って浮かれたような気持ちで返事をすると。


「───邪魔」


後ろから、そんな声が聞こえて驚いて後ろを振り返る。


「は、春哉くん……!」

「…春哉、邪魔すんなって」


そこには私達を見て立っている春哉くんの姿があって。




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