シュガートリック
シュガートリック
それからあっという間に二週間が立った。
実はあれから識くんの言う練習というものをしていない。
…なぜなら、この二週間はテスト期間だったからだ。
「やっとテスト終わったから解放感えぐい〜」
「ほんとそれな」
「…あ、花染さんだ」
朝、学校に登校すると周りから聞こえてきた声。
視線を感じて、小さく息を吐いた。
「てかさ、識くんだけに注目されてたけど……花染さんも男遊びやめたってことだよね?」
「…確かに、最近花染さんの噂聞かないよね」
「ねー。前までは日常茶飯事だったのにさ」
「相変わらず色気で溢れてるけど」
ヒソヒソ聞こえるそんな話に、ビクッと肩が揺れる。
お、男遊び……。
久しぶりに聞いたド直球な言葉に縮こまってしまう。