シュガートリック




「…え、私?」

「うん…!だって、流歌ちゃんが一番の親友だもん……!」


ニコッと笑って流歌ちゃんにそう言うと。
少しパチクリと目を瞬きして、すぐに感動したような顔をして。


「雪音〜っ!大好き……っ!!」


と勢いよく私に抱きついてきた。

それに私も返すように思いっきり抱き返した。



────────────────



四時間目の数学の時間。


「テスト返すぞー」


先生のそんな声が聞こえて、クラス中が騒がしくなる。

数学か……さっき先生が平均点は32点って言ってたな……。
確かに今回難しかった……点数見たくないなあ。


そう思いながら一人ボーッと座っている。

そろそろ番号順が近くなってきたので席を立って列に並んだ。


「テストできた?」

「え?」


急に後ろからかかってきた声に驚いてバッと後ろを振り向く。
すると、そこには私の後ろに並んでいる春哉くんの姿があって。




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