シュガートリック




そう言った識くんにハッとする。
私、春哉くんの名前言っちゃったよね……?

でも、春哉くんは識くんの友達なんじゃ……。


「……雪音忘れたの?あいつ雪音のこと好きなんだよ」

「…っ、あ」

「友達とか関係ない。あいつは男」


そんなの嫉妬するに決まってるでしょ、と言った識くんに少し気まずくなる。

そうだ……私、春哉くんに告白されたんだった……っ。
しかも、識くんの目の前でも言われたよね……。


「えっと……識くん、ごめ……っ」

「…ご飯は後にしよっか」

「へ……?」


不安な気持ちにさせちゃったかな、と思って識くんに謝ろうとすると。
なぜか膝の上に広げていたお弁当を横に退けた。

あ、あれ……?食べないの……?

と思った矢先、識くんは一瞬にして私と距離を詰めてきて。

それに反射的に身体が固まってしまう。




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