シュガートリック
上目遣い……!?今私そんなことしてるの……っ!?
気が緩んでた……いつもは人と目を合わせないから感覚がおかしくなってるのかも。
というか、食べるってなに……っ?おいしくないよ、私人間だよ。
そう必死に否定すると。
識くんはそんな私に、フッと笑って。
「純粋すぎて可愛いね」
「え……?」
「食べてあげる」
「……っ!」
急に表情を変えた識くんは私と距離を詰めてきて。
その瞳に熱が籠った色っぽい表情にドキドキとしながらボーっとしてしまう。
……っ、まって、これって……っ!!
顔が近づいてきて、まさかと嫌な予感がする。
私の瞳をまっすぐ見つめながら引き寄せられるように近づいてくる識くんに。
私は、バッと自分の唇の前で両手を出した。
そんな私の行動にピタリと動きを止めてパチクリと瞬きをする識くん。
「に、二回目は、ダメ……っ!!」
「……」